甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
征一さんが言った事は、その場凌ぎの嘘なのに、私は頬が急激に熱くなるのを感じた。
たぶん顔が真っ赤になってると思う。

それは征一さんの言い方があまりに自然だったから。

まるで、『好きだよ』と、言われたみたいだったから…

「神崎さんには、裕子の他に恋人がいるんですよね? あるいは愛人? 不誠実ですよね?」

「ちょっ、恵美ちゃん…」

進藤さんはぎょっとした顔で恵美ちゃんを見た。
征一さんは…、ジロリと私を睨んだ。

私はただ俯くばかり。
『ごめんなさい』と心で詫びながら。


「恋人も愛人も、いない」

「「うそ!?」」

また恵美ちゃんとハモっていた。
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