甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
急展開
「私が『彼女はいるの?』って聞いたとき、『いると言えば、いる』って言ったじゃない!?」

とっさに私はそう詰め寄っていた。

「『いないと言えば、いない』とも言ったはずだ」

「そんな曖昧な言い方じゃ納得出来ません。どういう事か、裕子に説明する義務があると思います」

と恵美ちゃんが言ってくれた。
恵美ちゃん、ありがとう。

「確かにそうだな。簡単に言えば、俺には周りが決めた婚約者がいる。俺はその女性を好きでもなければ、もちろん愛してもいない。向こうも同じだと思うが。だから俺には恋人も愛人もいない」

はぁ…、そういう事だったのかあ。私は喜ぶべき? 悲しむべき?

「確かに不誠実だったかもしれないが、俺は嘘はついていない。不誠実を言うなら、裕子の方こそ、そうじゃないのか?」

「へ? 私ですか?」
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