甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
私の唇に、柔らかくて暖かいものが触れた。

腰の辺りをぎゅうっと引き寄せられ、窮屈になった私の両腕は、自然と征一さんの首に巻き付いていく。

唇を、軟体動物みたいな何かにこじ開けられ、侵入され、掻き回される。

私は舌でそれに対抗し、形勢が逆転すると、私が腕に力を入れ、相手を引き寄せ、舌を侵入させ、それを舐めまくり…

静寂に響くピチャピチャという水の音。
甘くて卑猥な喘ぎ声。
それらが自分から発っせられている事への驚き。

本当に私なんだろうか…
私の中に、別の私がいるような、不思議な感覚。

それはきっと、その存在に気付かなかっただけの、女の私なのだろう。

どちらからともなく唇が放れ、荒くなった息と息がぶつかる。

「やるじゃないか、西野裕子」

「キスって、気持ちいいのね?」

「知らなかったのかい?」

「うん」

「もっと、したいか?」

「うん」

「その前にシャワー浴びよう?」

「いや〜ん」

「変な声出すなよ。我慢出来なくなるだろ?」

自分が発した甘ったるい声に、私自身も驚いた。


我慢なんか、しなくていいのに…
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