甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜

「水野君が私に危害を加える可能性は、どのくらいあるのかしら？」

「はっきり何割とは言えないが、かなり低いと思う。
その根拠は二つだ。ひとつは、奴が俺達の関係に気付く可能性は低い事。

俺達は会社でも外でも、極力接触しなかったからな。松野と進藤には口止めしたし。

それに、奴は警察から逃げる事に必死だと思う。それが二つ目の根拠だ。
いまさら復讐しても、何の得にもならないしな。

おっと、根拠が三つになったな？
とにかく、確率はかなり低いと思う」

「だったら私、会社を休みません。たぶん経理課は明日から大変な事になると思うの。みんなで頑張らないといけないと思う。
そんな時に、私だけ逃げるなんて、できないから…」

「さすが、西野裕子は仕事熱心だな」

「茶化さないで」

「ごめん、ごめん。
分かったよ。でも本当に気を付けてくれよ」

「うん、分かった」