甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
「神崎の野郎はおれのシステムをハッキングしやがった。こいつらより優秀なハッカーだが、誉めてやらねえ。制裁してやらねえとおれの気が済まねえ。

大事な女が目茶苦茶にされたら、さぞ悔しいだろうな。ふっふっふ」

『征一さん、助けて…』

「おい、そのバッグをよこせ」

水野君は丸顔男から私のバッグを受け取り、中から携帯を取り出した。

「おお、神崎と『恵美ちゃん』って奴からいっぱい着信があるぞ。あんた、本当に神崎の女なんだな」

「………?」

「実は確信はなかったんだ」

「違ってたら、どうするつもりだったの?」

「同じさ。あんたを可愛がる。おれはあんたに憧れてたんだぜ。知らなかったか?
それなのにおれを無視しやがって…」

「痛い…」

水野君に髪の毛を引っ張られた。

「神崎と話させてやるよ、待ってろ」

そう言って水野君は、耳に私の携帯をあてた。
< 210 / 239 >

この作品をシェア

pagetop