甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
「よお、神崎か? 裕子先輩じゃなくて悪かったな。
おれが誰か分かるか?


ピンポーン、正解です。


ああ、いるよ、ここに。


今のところはな。これから目茶苦茶にしてやるところさ。


ああ、いいよ。」

水野君が携帯を私の顔の前に突き出した。

「あんたと話したいそうだ」

「征一さん…」

『裕子、本当に無事なのか?』

「うん。お腹を蹴られただけ」

『なんだと!?』

「おい、そんな事したの、どっちだよ?」

「コイツ」

「すみません…」

「おい、神崎〜。蹴ったのはおれじゃねえからな〜!」

「征一さん、私、もうダメ。ごめんなさい…」

涙が溢れ、コンクリートの床に黒いシミができていった。

『すぐに助けるから、諦めるな』

「征一さん、愛してる…」
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