甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
「松野、悪いんだが携帯を貸してくれないか?
警察へ連絡したいんだが、生憎俺のも裕子のも壊れちまったんだ」

「いいわよ。はい、どうぞ」

私の携帯は、水野君が壁に飛んだ時に壊れたのね?
征一さんのも壊れたって事は、水野君目掛けて投げたのは、征一さんの携帯だったんだあ。


その後、何台ものパトカーがサイレンを鳴らして到着し、水野君達三人は警察に連行されていった。


「これで全て解決だな?」

「これからは堂々と、征一さんとお付き合い出来るのよね?」

「おお、みんなの前で、イチャつこうぜ!」

「いやだあ、征一さんったら…」




「裕子」

「なあに?」

「俺と結婚してくれ」


「え? ええ〜っ!?

プロポーズは、最高のシチュエーションでしてくれるんじゃないの?」

「俺が前に、スーパーマンになりたいって言ったの覚えてるか?」

「うん、覚えてる。私にキスするためでしょ?」

「チェッ、ばれてたか。
そういう目的もあったが、俺はヒーローになりたかったんだ。
愛する人を守るヒーローに。

今日の俺、ちょっと格好よくなかったか?」

「すごく、格好よかったわ」

「ヒーローか?」

「うん、神崎征一さんは私のヒーローよ!」

「サンキューな。という事だから、俺にとっては最高のシチュエーションなんだ。

で、返事は? 西野裕子」

「もちろん、イエスよ!」

私は征一さんの胸に飛び込み、自ら征一さんにキスをした。今までで一番甘いキスを。





「おめでとう、だけど、恵美様の存在、忘れてない?」




(完)

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