甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
「着いたよ。いい感じのホテルだろ?」

私は思わず「うん!」と言いそうになったけど、

「どうかしらね」

と、可愛いげのない返事をした。

車から降りると、ドアを開けてくれた運転手の黒田さんに、征一さんは何か耳打ちをし、黒田さんは「お任せください」とか言っていた。


「ほら、コレ付けて」

見ると、征一さんは手にキラキラとシルバーに光るマスクを持っていた。

「何?」

「マスクさ。詳しくはベネチアンハーフマスク。格好いいだろ?」

「それくらい知ってるわ」

ほんとは知らなかったけど。
征一さんって変装が好きよね…。嬉しそうな顔しちゃってさ。

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