甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
「そいつは職を失う」

そう言うと思った。
恵美ちゃんに隠せるかなあ…

「それと、彼氏にも言うな」

「へ?」

「今夜は早く寝ろよ。じゃ」

私が呆然としていると神崎さんはさっさと車に乗り込もうとする。

「ちょっと。私、彼氏いません!」

思わずそう叫んでいた。
なぜかは分からないが、神崎さんにそう思われるのは嫌だった。なのに…

「嘘はきらいだ」

そう言い捨ててさっさと乗り込み、走り去ってしまった。

『なんなのよ…?』

その夜は早く寝るどころか、ほとんど眠れなかった。
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