甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
記憶をなくすほどお酒飲んじゃったのは大失敗だったなあ。
これからは気をつけなくっちゃ。

下着姿を神崎さんに見られたのも恥ずかしかった!

家族以外の男性に見られたのは初めてかも。
あ、お医者さんは例外ね。

可愛い下着を着けてたのがせめてもの救い?

そう言えば、神崎さんは昨夜は変装したって言ってたけど、どんな変装だったんだろう。
見たかったなあ。

神崎さんが変装した姿をあれこれ想像してみる。

オーソドックスなところでは、野球帽に色の濃いサングラスにマスク。

まるで犯罪者よね?
『おい、金を出せ』って感じ?
それなりに似合うかも。

あるいは、金髪ロン毛のカツラにサングラスに付け髭。
ロックミュージシャン風。

「うふふ」

想像したら笑っちゃった。

「なんだ? 思い出し笑いか?」

振り向いたら神崎さんもこっちを見てた。
その顔に金髪カツラを乗せたイメージが浮かび、また笑っちゃった。

「きゃはは」

「人の顔見て笑うなよな」

「ちょっと、前、前!」

「おっと、危ねえ」

「運転手さんは運転に集中してくださいね」

「はいはい」

と言って神崎さんはニコッと笑った。

その初めて見る自然な笑顔に、胸がキューンとなった。
心臓が止まるんじゃないかと思った。

やっぱり私、この人を好きになっちゃったみたい………
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