甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
そして5分後。

「終わったす。ついでに余分な常駐ソフトを削ったんで、前よりサクサク動くっすよ」

「ありがとう」

「それと、帰りにデフラグしたいんで、帰る時に声掛けてください」

「え? なに?」

『デフラグ』って何? まさか、デート?

「ディスクの最適化っすよ」

「ああ、そうよね。分かった」

全然分からないけど。

「すごい助かっちゃった。ありがとう。水野君って、パソコン詳しいね!」


「ここだけの話、経理よりこっちが本業なんだよ」


私の耳に口を寄せ、そう呟いた。
まるで別人のような言い方と低い声だった。

「お礼はデートってことで、ヨロシクっす」

唖然とする私をよそに、水野君は自分の席へ戻っていった。
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