甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
「デフラグっすよ。もう帰るんでしょ?」

と言いながら近づいて来る。

「うん。どうやってやるのかな?」

「こうっすよ」

私がマウスをクリクリしてたら、その手ごと上からガシッと掴まれた。

「きゃっ」

私に手を跳ね退かされても、水野君は涼しい顔でマウスを動かしていた。

「はい、スタート。何時間も掛かるんで、このままにしてください」

と言いながらブチっとスイッチを圧し、画面は真っ黒になった。

『このまま』って言ったよね?
電源落としちゃっていいわけ?

私がギョっとしていると…

「コレはディスプレイのスイッチす。本体は動いてます。明日の朝、コレを圧してください。分かるっすよね?」

「わ、分かるわよ、それくらい」

「じゃあ、約束のデート、行きましょか?」
< 85 / 239 >

この作品をシェア

pagetop