甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
私は水野君につかまったため、来るのが遅れたのだと話した。
遅刻はしてないんだけどね。

それと、お昼にパソコンが壊れて、水野君に直して貰った事も神崎さんに話した。

「あの人、二重人格みたいで気味悪いの」

「二重人格ね…。水野雄介については、もっと調べるべきかもしれないなあ」

「水野君の事、調べたの?」

「一応な。ざっとだけど」

水野君は実は五十嵐課長の甥で、その縁故で入社したのだと、神崎さんから聞かされた。

言われてみれば、そんな噂を前に耳にした気がする。

私はどんだけ水野君に興味がなかったんだろう。
と言うか、人の噂話にあまり興味がないんだよね。

「アドミンで入った、って言ったよな?」

「うん。ところで、アドミンって何なの?」

「正確に言うとアドミニストレータ。パソコンの管理者権限を持つアカウントだ」

「アカウント?」

「ユーザーとも言う。アドミンは初期状態からいる唯一絶対のアカウントだ。パソコンはログオンしたユーザーごとに設定とデータを管理するんだ。それがプロファイルだ」

「それを直したって言ってたよ。すごくない?」

「プロファイルを復旧させた事には驚くが、もっと気になる事がある」
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