[君の秘密]
君はなにひとつ曇りのない澄んだ瞳で
柔らかな、その笑顔で



俺に携帯を差し出した

















[‥あ、ありがとう‥‥]













俺はぎこちなく手をあげて
君の小さな手から携帯を受け取った















[じゃあね]











君はそう言って
俺の横を通り過ぎ廊下へ歩いていった












何事もなかったように














俺はそこから動く事が出来ず
たたずんでしまった











振り返り君の後ろ姿を目にした















さっきまで、服ははだけ
息をあげ、甘い声をもらし
髪を乱していた君は















いつもの、黒く長い髪は
ふわふわと揺れ、乱れてはいなく
制服は、嫌味なく着られていて











いつも目にしている、君だった
< 39 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop