[君の秘密]

君と

放課後


君はいつものように
ホームルームを終え鞄に教科書を詰め
席を立とうとしていた















[白石!!]













教室中に響き渡った声



直人だ











[なに?佐藤くん]


君は直人に目をむけ真っ直ぐにみていた


その光景に
教室中の視線は君と直人に















[あの、さ‥‥放課後なんか予定とかある?]











[あ‥‥]


君は可愛いらしい声を漏らした











[駄目‥かな?]


[うん‥放課後はちょっと‥ごめんね?]













君はそっと微笑み
直人を見上げていた












[そ、そっか!ごめんな!]


直人は君を後にした











[‥‥‥っ、可愛いすぎるんだよ‥‥]


直人は、ひとり呟いた
その顔はどこか悔しげに頬を赤く染めていた













直人はひとりで帰り
俺はひとり教室にいた











他の生徒は皆帰るか部活にいって
教室は誰ひとりいない











直人が本気になる気持ちはよくわかる
君は気取るわけでもなく
分け隔てなく
だれにでも優しい


そして美しいんだから
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