[君の秘密]
翌日、
俺はあいつに昼休み呼び出された



なにを言われるのかは
だいたいの想像がついていた


きっと君の事だろう




[-失礼します。]

俺は資料室のドアをあけた

そこには教官席に座り
煙草を口に挟んでいるあいつ


[おう、高橋。悪いないきなり]

[別にいいですけど、…つーか、煙草。
校内は禁煙でしょ。]

[まぁそう堅いこと言うなって]

あいつはあどけて俺に言う





…こいつ、どんな神経してんだ
生徒に喫煙してるとこ見られて
他の教師に告げ口でもされたらどーすんだよ










[高橋は、口が堅そうだからな。]


…え



まるで俺の心境を読んだかのように
付け加えたあいつ







[…まぁ、別に言わないけど…
で、話ってなんですか」




俺は少々睨みをきかせて言った


[ん…あぁ。…まぁ、座れよ]

そう言ってあいつは
白い長机の前のパイプ椅子を指指した



………座りたくなかった
だってこの場所は…





[嫌なら座んなくて…いいから]






あいつは煙草を灰皿に押しつけながら言った







[おまえさ…]



話始めたかと思えば黙りこくるあいつ




ギギッ…ガタン





[…なんすか]




俺は勢いよくパイプ椅子に座ってやった
ほんの少しだけ
白い長机とは離して。



















沈黙が続く



なんなんだよこいつ
拷問のつもりなのか?
俺が口を割るまで喋らないつもりか?


あいつの様子からして
俺があいつと君の事を知っていることに
気づいているはずだ
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