[君の秘密]
[…なッ!…あんた、言ったのかよ!]

[言うわけねーだろ…]

[じゃあなんでわかるんだよ!]







[…麻耶の事、見てればわかる]


[あいつは、なんでもかんでも口にするような女じゃねー。無理に詮索するような女でもない…あいつは知ってる…様子見てれば、わかる…]


あいつは少し遠い目をして
そう言った






…だってあのとき、
君とこの男が資料室で
それをしていた後に
俺は資料室の前で
君と遭遇して

…君は、
なんの変化もなく
焦った様子もなく
勘ぐる事もなかった…


君はもう知られていると
わかっていて
あの冷静さだったというのか…









[そういえばさ]


俺が無心で状況を整理している時に
あいつは教官席をぐるりと回し
俺の方に身体をむけた




[お前、あん時、みてたんだろ]




ドキ。





[…あん時って、いつの事ですか]

動揺のあまり
思わず敬語を使ってしまった



[ひとつしか、ねーだろ…]

そう言いながら
あいつは教官席から立ち上がり
俺の方へと向かってきた
















そして俺の耳元でこう言った








[俺と、麻耶がヤッてる時]









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