‡幼なじみ‡




教務室で、帰り支度をしていると。


「姫野、何か理由が有るのよ。葉山が、あんな女と付き合う訳ないじゃない。」

「………。」


「姫野、ダメだよ。諦めたら、ダメだよ!!」


「……由希、ありがと。私は、ヒクッ、だい・じょうぶだか・ら。いつ・か、こんな…日が、く・ると…思って・たから…ヒクッヒクッ…。」


「姫、野…ヒクッ。泣かないで…。」

由希、ありがとう。
ごめんね。
心配ばかり掛けて。
泣き止みたいけど無理みたい…。
明日からは、泣かないから。
今だけは、泣かせて…。


由希は、私を抱きしめてくれて、一緒に泣いてくれた。





私の初恋は、気持ちを伝える前に終っちゃった…。







< 106 / 165 >

この作品をシェア

pagetop