‡幼なじみ‡
莉紅と桐原さんが付き合い始めた事は、翌日あっと言う間に学校中に広まった。
今まで、嫌みを言って来た莉紅のファン達は、私には何も言って来なくなった。
桐原さんは、ファンの子達の嫌みに強気な態度で対抗して黙らせてしまった。
「莉紅の彼女である私に、嫌がらせなんてしたら、更に莉紅に嫌われるわよ?それに、嫌がらせされても、私は莉紅と別れないわよ。私は一生、莉紅から離れない。」
私の、生活もずいぶん変わった。
今まで、いつも隣に居てくれた莉紅は桐原さんと一緒に居る。
私の部屋に、莉紅は来なくなった。
いつでも空いていた窓のガギとカーテンは、閉められたまま。
最近、莉紅は部屋に居ることが少ない。
帰ってくるのが遅い。
きっと、桐原さんを送って行きながら、桐原さんの家に寄ってきてるんだ。
彼女と過ごす莉紅。
私と過ごしてきた時とは、違うんだろうな。
桐原さんに、優しく微笑む莉紅…。
ダメ…考えると、胸の奥がギュッと握り潰されるような痛みに襲われる。
どのくらい時が過ぎれば、この痛みに襲われなくなるんだろう?