‡幼なじみ‡


部活に行くと、麗香先輩が来ていて長野先輩達と話をしていた。
まだ、練習が始まるまで30分ある。


早く来た奴らは、それぞれやりたいことをしていた。

筋トレしている奴、寝ている奴、仲間とくだらない事をしゃべって大笑いしてる奴…。


そんな中、莉紅は一心不乱にシュートを打っていた。その傍らには桐原がいて、莉紅に話掛けている。
(シュート練習中に話し掛けるなんて、こいつ本当にマネージャーだったのか?)
一心不乱にシュートを打っている莉紅は、返事をしない。
イヤ、一心不乱に打っているように見えるが、全然集中出来て無い。
桐原が、莉紅の気を引こうと話掛けているせいでは無い。
桐原の存在など、目に入って無い。


莉紅の意識の中に居るのは……姫野ちゃん。


姫野ちゃんが、由希と練習の準備をしている。
パタパタと動き回る姫野ちゃんの姿が視界に入る度に、シュートが乱れて入らない。


莉紅、お前が言ったんだぞ。
友達だと思ってる奴に相談されないのは、辛い事だと…。
姫野ちゃんが、悩んでいた時に、お前はそう言ってたはずだよな?
なのにお前は、ひとりで抱え込んで誰にも話してくれないじゃないか!!


俺は、お前の友達じゃないのか?





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