‡幼なじみ‡


それから私は、ひたすら練習した。
莉紅に近づきたくて。


3年になって、ますます私は練習に励んだ。
自分にも、他人にも、厳しくした。


地区大会を勝ち抜き、県大会に出場が決まった。
2位通過だったけど、県大会に出場出来る。
いつも、地区予選で負けていたから、2位でも凄い快挙だ。


1位は、もちろん桜姫野の居る、中学がトップ通過だった。


莉紅は、中3でUー18に選ばれるほどの選手だった。
もちろん、高校からのスカウトも、いくつも来ていた。


桜姫野も、県選抜に選ばれるほどの選手だった。


私は、どんなに練習しても桜姫野には敵わない。


莉紅にも、近づけない。



更に、エスカレートしていく私に部員の皆がついて来なくなった。
もう、私の言う事は聞けないと。

私は、自分の事ばかりに目を向けていて、回りを見ていなかった。


1.2年生は、辛うじて残ってくれた、でも同学年の3年が私以外、皆退部した。

県大会は、一回戦負け。


悔しさと、情けなさで、1.2年生に当たり散らした。


この試合で引退。


後輩達は、早く辞めてくれと言わんばかりに、試合が終わってすぐ、形ばかりの送別会をやり、私はバスケ部を引退した。





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