‡幼なじみ‡



「桐原さん、君は中3の時に妊娠して、中絶してるよね?」

「光貴!やめろ!!」


「莉紅、黙れ。」

「っ…。」

「光貴君……。」


「姫野ちゃん、大丈夫だから、最後まで聞いて。」


「でも…。」


「桐原さん、俺は君を傷つけたい訳じゃない。でもね、俺の大切な友達を苦しめてる君を許す事は出来ないんだ。君のやり方は、卑劣過ぎる。自分でも分かるよね?分からないなら、俺が分からせてあげる。」


「君は、莉紅と出会った時には、既に妊娠していた。そうだろ?」


「はっ?」

「……。」


「敢えて、今ここではっきりとは言わないけど、望んだ妊娠じゃなかった。」


「あなたに何が分かるのよ!!」

「もちろん、分からない。でも、想像する事は出来る。君の気持ちも、想像の範囲だけど分かるよ。辛かったと思う。だからこそ、その辛さを知ってる君が関係ない莉紅を巻き込んで、傷つけてるのが許せない。」

「君の幸せは、本物じゃないよ。それでも、幸せなの?心から笑えてるかい?欲しいものを手に入れたけど、嘘で相手を縛りつけただけ、莉紅の気持ちは他にある。」





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