‡幼なじみ‡
「いつまでも、妊娠を隠しておくことが出来る訳が無くて、突然のお腹の激痛に気を失って倒れて、気づいた時には中絶手術が済んだ後だった。情緒不安定な私を心配した両親は転校させて、私と母は祖母の家で1年半暮らしたの。父は仕事があるから、自宅に1人残った。精神的にも身体的にも落ち着いたんで、地元に戻って来た。そして、偶然転校先には莉紅と桜さんがいて…薄れていた、莉紅への気持ちが甦ったの。それと、桜さんへの妬み。」
「えっ?」
「桜さん、あなたは中学の頃より更に綺麗になってて、何の屈託の無い笑顔を見せられて悔しくなったの!!どうして、同じ女の子なのにこうも違うのかって!!私の何がいけなかったのかって!!あなたは、何もかも持っていた。私が欲しいもの全部。だから、ひとつくらい、分けてもらってもいいじゃないかって思ったのよ!!私が1番欲しいもの、莉紅を。」