‡幼なじみ‡


「みんな、居てくれ。最後まで話聞いてくれ。」

「そうね。皆に立ち合ってもらった方がいいかもしれない。
……莉紅、はっきり言ってくれるかな。そうすれば私、一歩踏み出せるから。最初から分かってたし、大丈夫。諦めきれなくて悪あがきしたの。迷惑掛けてごめんなさい。」


「いや、俺の方こそ…ワリィ。俺は、お前の気持ちには応えられねぇ。中学の時の事、お前の事情を知らなかったとは言え、悪かったな。俺は最低な事した。ガキだったんだ。今でも、ガキだけど。それ以上にガキでバカだった。」


「ううん、いいの。私が莉紅に近づいて利用したの。莉紅は悪くない。ありがとう。」


「何で、礼なんか言うんだ。おかしいだろ。」


「そんなことない。私にとって、莉紅との思い出は宝物だもの。どんな些細な事でも。皆さんも、ありがとうございました。……桜さん、何であなたが泣いてるのよ?同情なんかいらないわよ。」


「違っ…同情だなんて…。」

「あ〜あ〜、姫野は、本当お人好しなんだから。桐原さん、同情じゃないのよ。この子の涙は嬉し涙。人の幸せを想った嬉し涙よ。あなたと葉山の為のね。」


「何よそれ。あんたバカじゃないの?」


「敵わないでしょ?姫野ちゃんには。私も、そうだったから。フフフ〜。次のセリフがあるわよきっと。」

「鈴原先輩?」


「桐原さん、今日から私達友達だからね。」


「姫野〜またぁ?」

「由希…ダメなの?」

「そうじゃ無いけど…。」


「私は、御免よ。出直して莉紅にまたアタックするんだから。桜さん、あなたは私のライバルなの。友達なんてお断り。」


「私がライバル??」


「天然女、最悪ね。」


「「「「ぷっ!!ワハハハハ〜!」」」」


「何よ、皆。なんで笑うのよ!!」


「姫野が、可愛いから♪」


「ふぇ?」




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