‡幼なじみ‡
「ククク…。似た者同士で見てて微笑ましいよ。」
「フフフ♪分かる気がする。」
「由希?何かあったの?」
「クスクス。姫野、冷やかしに行こう♪」
「冷やかし??」
「そっ♪秋人先輩と麗香先輩、付き合う事になったみたい。」
「本当!麗香先輩の想いが通じたんだね。」
「まぁ、そうなんだけど。今回は、立場が逆転したのよ。」
「えっ、どう言う事?」
「もちろん麗香先輩は、ずっと秋人先輩の事好きだったわよ。でも今回、告白したのは秋人先輩の方なの♪」
「ククク…。さっき、桐原さんに話してる時の長野先輩の言葉は、鈴原先輩に対する告白みたいなもんだったからなぁ。」
「光貴も気づいたのね。」
「うん。バレバレだろ、あれ。」
「もしかして、すぐには無理だけど相手の良さを知ってーーーーっていう話?」
「そう!姫野、自分の事は鈍感なのに、人の事はよく気づくのよねぇ。」
「由希、ひどい!鈍感じゃないよ!」
「そう思ってるのは姫野だけよ。ねっ、葉山?」
「そうだな。」
「莉紅まで!そんなふうに、私のこと思ってたの?」
ニヤ…「ガキの頃から、ずっとな。」
「……!もう、莉紅なんて知らない!!」
「姫野、怒るなよ。」
歩き出そうとした私の腕をつかみ、手を繋ぐ。
単純な、私はそんな莉紅の行動で怒りが消えてしまう。
私は、莉紅に弱い。
惚れた弱み。