‡幼なじみ‡
次の日の、放課後。
長野先輩と麗香先輩を、空き教室に呼び出した。
私が、最初に連れ込まれた教室に。
「葉山、こんなとこに呼び出してどういうつもりだ?なんで、姫野ちゃんと麗香までいる?」
麗香先輩は、今にも泣き出しそうな顔をして、隙あらば逃げ出そうとしたのを莉紅が止めた。
「鈴原先輩。(麗香)」と一言。
凍り付くような低い声。
私に向けられた訳ではなかったけど、その冷たい声色に体が凍った。
麗香先輩と一緒に、嫌がらせをしていた、他3名は『私達は、頼まれただけ!関係ないわよ!!』と言って逃げてしまった。
「はっ。あんた、良い友達と付き合ってるね。関係無いってっさ。」
痛烈な嫌みを言われて、涙を浮かべる麗香先輩。
「痛くも、痒くもないのに、泣くんじゃねぇよ。」
「葉山、いい加減にしてくれ!!何なんだよ。」
「すみません。今、説明します。姫野、ちょっと来い。……少しの間、我慢してくれ…。」と呟かれ、莉紅と向かい合わせに立たされた。そして、一瞬抱きしめられた!?と思ったのも束の間、ブラウスの裾を捲り上げ、長野先輩と麗香先輩に私の背中を見せた。
「!!!////莉紅!!」
「姫野、ワリィ。」
莉紅が、辛そうな声で呟き、すぐにブラウスを元に戻してくれた。
私には、背中を見た時の先輩達の表情は見えなかったけど、振り向いたら、長野先輩は驚愕していて、麗香先輩は顔を反らして俯いていた。