‡幼なじみ‡
バカな事をやってた俺だけど、バスケだけは真面目にやってた。
仲間もいい奴ばっかだったし、楽しかった。
姫野もバスケ部だったから、部活に行けば姫野の姿を見ることが出来た。
だから、姫野の部屋に行かなくなっても、俺はおかしくならずに済んだのかもしれない。
まったく、姫野に会えなかったら、きっと俺は壊れていただろう。
母さんの言葉で、目が覚めた俺はその日から、きっぱり遊ぶのをやめた。
夏休みが、後残り3日しか無くなっていた。
今年の夏は、姫野と何処にも行けなかった。
自分のせいなので、誰にも文句が言えない。
俺にしては、珍しく回りが分かるくらいに落ち込んでいた時。
「莉紅?ここのところ姫野ちゃんに会ってないの?美咲さんから姫野ちゃんが寂しがってるって聞いたわよ?」(美咲〜姫野の母)
「っ!?」
「莉紅。どうしたの?」
「母さん、今の嘘じゃねぇ?」
「フフフ♪姫野ちゃんが、寂しがってるって話?」
「……。」
「本当よ、母さんも直接言われたわよ。」
「えっ!?いつ?」
「ついさっき。美咲さんに用があってお隣に行ったら、ちょうど姫野ちゃんが帰ってきて『莉紅、元気ですか?』って寂しそうに聞いてきたわ。フフフ。本当、姫野ちゃんはいい子ねぇ。美人さんで可愛くって、素直で。誰かさんには、勿体無いわね♪」
「母さん、サンキュー。」
「フフフ♪いいえ。」
母さんには,敵わない。