‡幼なじみ‡
休み時間ごとに桐原さんは、男子に囲まれ質問攻めにあっていた。
趣味とか好きなタイプの男の子は?とか。
一番多い質問は、莉紅とはどういう知り合いなの?かって。
私も、すごく気になっていて思わず、聞き耳を立ててしまっていた。
桐原さんは、意味深な微笑みを浮かべて『秘密。莉紅君と私だけの秘密。』と答えていた。
『秘密』……。
私は、気付きたく無かった事に気付いてしまった。
2年前の夏休み。
きっと、莉紅と桐原さんはその時に知り合ったんだ。
ズキンズキン……………。
朝の胸のモヤモヤは、今では物凄い痛みを感じて、息が苦しくなってきた。
莉紅の、あの今までに見たことの無い表情を思い出す。
確信してしまった。
やだ。
涙が滲んで来て、私は慌てて教室を出てトイレに駆け込んだ。