‡幼なじみ‡


姫野が、慌ててタオルと氷を持って走って来た。


「先生!!」


「おぅ、桜か。氷持って来てくれたんだな。よし、部室に運ぶぞ。葉山、少し歩けるか?無理なら俺が、担いでやるぞ?」

「大丈夫ですよ。歩けますから。支えも要りませんよ。」


「ハハハ〜強がるな、支えは必要だろう?」


先生が、俺の腕を自分の肩に乗せた。

桐原も、すかさず俺の隣に来て、先生と同じようにしようとした時…。


俺は咄嗟に、桐原の隣で氷とタオルを持って、心配そうに立っている姫野の肩に腕を乗せた。

桐原は一瞬、不機嫌な顔をした。
姫野は驚き、俺を見上げて来た。


「フッ…。先生、お言葉に甘えさせてもらいます。姫野、ワリィな。氷とタオル持って来てくれたのか?」

「えっ?あ、うん。」


「俺の後頭部、割れてねぇか確かめてくれ。(笑)」


「莉紅、冗談言ってないで部室に行こう。」



「あぁ。」



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