秘密の恋心〜姉弟の禁断の恋〜
公園のベンチに座り、母と伯母の会話を思い出していた。そして、現実を受け止める事が出来た。

父母は養父母で、俊は本当の弟ではないという事実。

本当の両親から、『要らない娘』として捨てられた事実。

『美雪』という名前は、美しい雪が降る日に生まれたから付けた名前、と聞いていたけど、生まれた日ではなく、拾われた日なのだろう。

私の誕生日は、拾われた日なのかもしれない。



『お姉ちゃん、どうしたの?』

『あ、俊…』

『お姉ちゃん、どうして泣いてるの? お腹痛いの?』

『ううん。俊は私の事、好き?』

『うん、大好き!』

『じゃあ、私の事、捨てないでね?』

『捨てるって? なんだか分からないけど、僕はお姉ちゃんが大好きだから、一生お姉ちゃんと一緒にいるよ』

『ありがとう、俊…』
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