秘密の恋心〜姉弟の禁断の恋〜
実家までは中距離電車で1時間半ほど。
いつもは一人旅だけど、今日はボックス席の向かいに俊がいる。

「姉貴、なんか嬉しそうだな?」

「そう? 天気もいいし、気分はいいかもね」

「親父は今日もゴルフだろうな…」

父は小さな会社の社長で、休みはほとんどゴルフに出掛けるらしい。

「付き合いも大変よね?」

「いや、はまってるだけだと思うよ。本人は付き合いで仕方なく、なんて言ってるけどさ、毎週毎週付き合いがあるわけないよ」

「そっか。お父さんは凝り性だもんね?」

「ゴルフの前は釣りだったの知ってる?」

「ああ、そうだったね」

「俺はその頃、親父を『浜ちゃん』って呼んでたんだ」

「まあ。お父さん、怒らなかった?」

「『すーさんと呼べ』って言ってた」

「きゃはは、何それ?」

「そっちのキャラなんだって、威張ってた」

「お父さん、おもしろ過ぎ」


他愛のない会話だけど、俊とたくさん話せて、たくさん笑えて楽しかった。
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