秘密の恋心〜姉弟の禁断の恋〜
母の涙を見て、私も涙が溢れて止まらなかった。父も目に涙を溜めている。

もっと早く両親と話していれば、違う生き方をしたのかもしれない。
少し違う私に、なっていたのかもしれない…


「俊がね…」

しばらくして母がポツリと言った。

「知ってしまったのよ」

「え?」

「そうと断定は出来ないだろ?」

「そうだけど、間違いないと思うの」

俊が、私と血が繋がってない事を知ってる…?

「この間、友達と卒業旅行とか言って、韓国に行ったのね」

あ、マンションを探した日、俊は旅行に出掛けてたっけ。

「パスポートを作るために役所へ行ったのね。私は戸籍抄本でいいのよ、って言ったのに、戸籍謄本をもらって来たんじゃないかと思うの。

それを見て、美雪の事を知ったんじゃないかと思うの」
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