秘密の恋心〜姉弟の禁断の恋〜
「そう言えば、明日はどんな用事があるの?」

『泊まっていきなさい』と言う両親に、俊は『明日は朝から用事があるから』と断っていたのを思い出した。

「何もない」

「え?」

「姉貴が辛そうに見えたから。たぶん家に帰りたいんだろうなと思ったから、嘘ついた」

その通りだった。
父と母の視線が気になり、どうしてよいのか分からなくて、早く家に帰りたいと思っていた。

「姉貴、なんで泣きそうな顔してたんだよ?
お袋達に何か言われたんだろ?
俺じゃ姉貴の力になれないのか?
姉貴は、俺の一番大切な人なんだ。姉貴のためなら、俺は何でも出来るよ」

「………」

そんな事言わないで。好きの気持ちが、溢れ出しちゃうから…
< 60 / 91 >

この作品をシェア

pagetop