誘惑的すぎる部下
亮の実家へ行き、亮のお父様に私達の結婚を許していただいた時は、随分緊張したわ。

お父様は吉田コンツェルンの会長さんで、威厳があって恐そうな方だった。

でも話してみると優しい方で、私の事をすんなりと受け入れてくださったの。

『自分の不甲斐なさで亮平と亮平の母親に辛い思いをさせてしまった。同じ事を亮平に繰り返させたくない』

というお父様の言葉が忘れられない。

お父様は亮のお母さんを愛していたけど、親に結婚を認めてもらえず、仕方なく愛人という関係になったのだと、話してくれたの。

亮に深々と頭を下げて謝罪するお父様に、亮も私も泣いてしまったの。
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