誘惑的すぎる部下
日曜が来ちゃった。

お母さんは朝からやたらテンションが高い。

一方、私とお父さんは低いテンション。

「ああ、面倒臭いなあ」

「すまない」

「二人とも何ぼやぼやしてるの? そろそろ行くわよ」

「は〜い」


会場はそこそこ有名なホテルのレストラン。

お見合いの相手は野田正樹さんというらしい。やはりご両親が同伴している。

支店長夫妻がお仲人。私と野田さんを、喜々として紹介している。
やたらと誉めちぎられてこそばゆい。

私はというと、亮君とホテルのレストランへ行った夜を思い返してばかりいた。

あれから亮君は機嫌が悪い。私のお見合いが気に入らないのかな?
な〜んて、それは私の勝手な願望。実際は、裕子ちゃんと喧嘩でもしたのだろう。
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