夏、青春
プロローグ



グランドに響き渡る野球部の声。
空より高く飛びそうなホームランを
打った野球部がグランドを走っていく。
ランナーコーチをしている野球部の子が
「まわれーまわれー」とグランドに声を
響きわたらせる。
ホームランを打った本人:堂林祥太は
両手を掲げながら「うっしゃァ!」と
叫んでいる。
それを見ていた少女:伊瀬 千紘は
友達と登校しながら見ていた。


「まーた、見よる~!」
「だってーカッコいいもん!」
「好きやなあっ」
「かっこいい~っ!!」
「人の話聞いてないし、」


伊瀬 千紘(17)は
野球部である堂林祥太に恋をしている。
きっかけは友達と行った野球部の試合。
ショートに来たセンターよりのライナー
のボールをヘッドスライディングで
堂林が取ってそれを見た瞬間
キュンとなったのだ。



「堂林君見たけん勉強頑張れる!」
「いいなっこっちも恋したいし!」
「はは(空笑)」


キーコンカーコン。 キーコンカーコン。


「やば!チャイム鳴ったし!」
「伊瀬~早く行くよ~!」



こうして伊瀬 千紘の
長い一日が始まった。











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