夏、青春
「(何だろ…めっちゃモヤモヤするっ)」
千紘はさっきのモヤモヤの
正体を探ろうと悩んではいたが
未だに正体はわからない。
「千紘ー教科書当たっとる!」
「…はぁ、」
「千紘ー千紘ー!」
「(…こんな気持ち嫌やしーっ)」
「おーい、伊瀬さん!」
「!、えっは?何、何?」
「千紘本読みあたっとる」
「え!あぁぁ、ありがとう」
うわ~めっちゃ恥ずかしい!
と思いながら千紘は教科書を
読みはじめた。
―――――――…
「千紘めっちゃボーっとしてた」
「うん、ちょっとな…」
「木下さんのことちゃん?」
「…………うん」
「そんな気がしとったわ!」
「堂林君とられそうで怖いんよ」
「(笑)…でぇた!堂林君!」
「…ほなってあの娘可愛いし細いし、」
「まあ確かに可愛いなあ!」
「…うん」
「でももし木下さんが堂林君のことをスキになったとしても、千紘のスキのほうがでかいと思うよ?」
「?」
「んなけん、千紘ほーが可愛いってこと」「…あはは、何それっ!」
「自信もちな!」
「…うん、ありがと」
千紘と未波が教室に戻ろうと、
足を進めた時だったー…。
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