夏、青春
「ちっぺおはよー!!」
「奈実ちゃんおはよー」
「なぁ聞いて!聞いて!」
「奈実ちゃん朝から元気やなあっ」
「ちっぺ~朝から会ってしもたっ」
千紘の親友である奈実。
奈実も同じく野球部に恋をしている。
「どうしよう~っ!ちっぺ~」
「良かったなあ」
「うへへーっ!」
奈実のノロケを聞いてから
千紘は一時間目の授業の用意をした。
「一時間目は政治経済かあっ」
「だるぃなぁ、先生一人で授業しよる」
「わかるーっ」
千紘は先生が来るまで先生の悪口を
友達と言っていた。
「おぃ!祥太お前頭良いけんって」
「調子のんなよーっ」
「うるさい!調子のってないわ!」
「なぁ先生来るん遅くない?」
「いいんちゃん、このまま自習ー」
「いいなあ!俺漫画読みたいし!」
けど目線はやはり彼に向けられていた。
堂林と唯一同じ授業はこの授業だけ、
千紘はこの50分が大事な大事時間なのだ。
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