-悲恋-
-第1章-
―おじいちゃん、おばあちゃんがいるうちは、
ちゃんとしないといけないから、文句を言わずにしなさいと言われて、
いつも頭にきた。
家に居ると自分の好きな事が何も出来ないから、
《早く都会に行って働きたい》
そういう思いで、
中学を卒業するまでどれほど待ったか…。
でも、美味しい物、
いつも食べてたわ。
果物は一通り、なんでも成ってたっけ。
それに、
さつまいも、じゃがいも、里芋、白菜、
麦、蕎麦、煙草まで…。
夏になったら、
スイカ、メロン、きゅうり、ナス、かぼちゃに、
栗、盆坦、柿、桃、
もう、ありとあらゆる物があった。
醤油、味噌も作ってたなぁ―…。