-悲恋-
「おい、九州。」
梅林さんの事を呼んでる。
「この子、お嬢さんやで。
どないするんや?
お前にはもったいないで。」
と座長さんが言う。
「姉ちゃん、可愛いなぁ。
俺みたいな男の、どこがええんや?」
「え―っ
全部ですよ!全部が好きですっ!
握手して下さい!」
―梅林さんが
「ハイ」と言って
手を握った。
「うわぁ―っ!嬉しい!大好き!
夢じゃないよね?
やったぁ―…っ!」
「おい、お嬢さん。味噌汁、炊けるか?」
と座長さんが言った。
「いいえ、私、味噌汁は炊けません。
お兄さん、教えて下さい。」
「九州、この子、
味噌汁も炊いた事ないんやて。すごいな。
今時、うぶな子やな―。」
「ごめんなさい。
私、ただ食べるだけの毎日でした。…エヘヘ」
「今時、こんな純粋な子いるんやなぁ…。
こんな可愛くて綺麗な子がなんで?
どうして嫌いな人と一緒に住んでるんです?」
梅林さんが聞いた。