-悲恋-
―――。
「あっ!梅さんだっ。
梅さーん、ここだよっ。」
「おぅ、帰ってきたか。
一緒に帰ろうか。どうやった?楽しかったか?」
―どっちの事を考えても涙が出てくるの。
でも、そのうち沖美の事が飽きてきたように思った。
「梅さん、もう明日から送ってくれなくてもいいよ。
もう諦める…。
だって、梅さんが可哀想やもん。
貴方の好意を、無駄には出来ないと思ったの。
なぁ、これでええんやろ?」
「涼子…
やっと諦めてくれたんか?
そうか…ありがとう。
俺の言ってる事、分かってくれたんやな。」
「あんたみたいな人を差し置いて、
分からん人はバカやと思うねん。」
「良かった…。
涼子と一緒になって正解だったな、俺は。
お母さんが心配してるから、電話しとこうか。」