-悲恋-


―「梅林です。元気ですか?
涼子は幸せやから、心配せんといてな。

約束した事はちゃんと、守ってるから、安心してぇや。
月菜も元気やから、何も心配することあらへんよ。」



―母が、とても気に入ってたっけ。


『あんなに良い人、世界中
弁当を持って歩いてもいないよ。
良か人じゃったなぁ…。』



―梅さんも、とても母に良くしてくれて、
私は幸せ者だった。



そして、大阪・狭山に
移り住んだ頃、

梅さんとの子供を授かった。
男の子でした。

名前は【歩夢】‐アユム‐




《この幸せがずっと続きますように―…》

と、神に祈らざるをえなかったのです。




―――ところが、ある日。

突然、梅さんが囚われるのを
目にしてしまったのです。

もう、ショックが強くて…。


やっとの思いで生きていたっけ…。

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