無気力LoveStory

たしかに先輩が来なければ殴られてたとは思う。

だけどそんな言い方じゃあ、感謝よりもむしろ呆れの方が大きくなる。


まあ、そういうのが全くないと思っていたわけじゃないからいいけれど。



「また呼び出しくらっても、大丈夫大丈夫!」

「……次回があるんですか」

「“あったら”っていう話だよー」

いくら可能性の話でも、0%じゃないだけに少し不安だし。

しかも何がどう大丈夫なのか、全くもってわからない。


「ちゃんと俺が守ってあげるって」

な…っ

不意打ちのように軽く言い放った先輩に、顔が熱くなったのを感じた。

「あれー?顔赤いけど?」

「っ!赤く、ないですっ」

顔を覗き込むように近づけてこられて、さらに緊張する。

体がカチンと固まってしまったみたいで、動かなくなる。


「どうしたの?もしかしてお腹痛い?」

「違いますから!別に…っ」

いわれ慣れてない言葉を急に言われたら、誰だってこうなりますよ!


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