無気力LoveStory
座り込んでいる先輩の顔を見ようとすると、必然的に下から覗き込むような形になった。
「ちょ、えっうわっ!」
すると先輩は急に焦りだして。
あたしから遠ざかる。
……ホントに、わけがわからない人だな。
「こっち来ないで!」
だけど、たとえ変人な先輩だろうと、そんなこと言われて嬉しいわけじゃない。
そりゃあたしだって、多少は傷つくし。
なんかすごく、チクチクする。
「…はあー」
とりあえず一つ大きなため息を零して、もう一度先輩に目を向けた。
「とにかく今日は帰りますから。次数学なんで」
「え、ああ、はい」
フェンスにピタッとくっついたまま、先輩はどことなくションボリとして言った。