無気力LoveStory
真っ先に広がった綺麗な青色。
空気を胸いっぱいに吸い込むと、少し気分が晴れた気がした。
昨日彼女と歩いているのを見つけちゃったから、今日は大分テンションが低かったんだ。
その青色に続いて、白い雲。
それから、ミルクティー色。
……ミルクティー色?
よく見ると、屋上のフェンスにもたれかかって漫画を読んでいる人がいた。
「あ!もしかして君、サボり仲間?」
そのサラサラのミルクティー色の髪からふと顔を覗かせて、そう言う。
サボり仲間…っていうか、個人でサボりに来ただけであって、決して仲間に入りにきたわけではないのだけれど。
「なんでもいいかな。俺すっごく暇だったのー!なんかしゃべろう!」
その人は切れ長だけど大きな目を小さく細めて、カッコ良く笑う。
面食いなわけではないけれど、綺麗すぎる笑顔に有無を言わせない光を感じてしまったから、素直に頷いた。