無気力LoveStory

「俺、九条彼方(クジョウカナタ)ね」

……え。

無理矢理その人の隣に座らせられ、自己紹介。

綺麗に笑ったその瞳に吸い込まれそうになったけどなんとか踏みとどまり、目を見開いた。


く、九条先輩!?

「学年一位の!?」

声をあげると、きょとんとしてから納得したように笑って頷く。

「あぁ、俺って有名だもんね」

……自分で言うのはどうかとも思うけれど、たしかにものすごい有名人。



学年一位で模試も全国50位以内には必ず入る。
その上運動はできるし顔もモデル並にカッコよくて、そっくりの従兄は陸上界の王子様。

とかいう噂を何度も聞いた。


現に九条先輩の話はそこら中で女の子が言っているし、人気順位をつけたならダントツ1位になるだろう。


「あー……あたし、帰ります」

「えっ、なんで!?」

こんな先輩と仲良くしてるのを見られたら、全校の女の子を敵にまわしちゃう!


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