無気力LoveStory
「絶対、いや」
「は?九条、どうしたの急に」
「別に。とにかく、嫌なだけ」
先輩の友達がわけがわからなそうにいろいろ言うけど、九条先輩は嫌の一点張りで。
「ふーん、まあいいや。一緒にまわろっか!」
「は?ちょ、嫌だって!」
焦ったようにずっと否定し続ける先輩に、イライラする。
結局、嫌の理由はあたしが関係してるわけで、
それだけ全否定されるなんて傷つく以上にムカついてしょうがない。
「ちょっと…!
「そんなにあたしがやなら、あたしと話さなければいいだけじゃないですか」
キッと睨みつけて言うと、
「別に、そういうことじゃなくて…」
なんて、ブツブツと声を小さくした。
そういうことじゃなくて、なんなんですか。
しばらく無言で睨みつけてようかと思ったけど、顔を背けて佑耶君に向き合う。
「先輩達、皆いい人だから」
そう言って微笑む佑耶君に自然と微笑み返すと。
視界の端に映る先輩がなんとも難しい顔をして、目を逸らしたのが見えた。
「ホント、おかしくなりそう…」
呟いた言葉を、あたしは知らない。