無気力LoveStory

「で?どういうとこが好き?優しいから、好き?」

「…え、そりゃ優しいのは好きですけど。たぶんあたし、佑耶君のこと好きじゃないですよ?」

「わかった、優しいところね……って、え?、は?」

さっきまで難しい顔で考えてたのに、びっくりしすぎたのか目を丸くさせる。

感情を隠そうともせずに表現して、変なポーカーフェイスはしない。

や、正直だからできないのかもしれないけど。


いつも通り、あたしの知っている通りの九条先輩に、思わず笑みが零れた。



「す…好きじゃないの?」

「人としてはそりゃ好きですけど、恋愛感情は…」

「ないの?」

「はい」

先輩の問いかけに、自分でもわかってなかった答えがスラスラ口をついてでる。

そっか、やっぱり憧れだったんだ。


佑耶君に対しての感情に、今気付いた。

そして、ずっと続いてたモヤモヤの意味も。



< 52 / 60 >

この作品をシェア

pagetop