無気力LoveStory
体中の熱が顔に集まって、また新しいところから熱が生まれる感じ。
上から下まで全部真っ赤になって、恥ずかしさからか目まで潤んできた。
「……え、先輩?」
だけど、あたしの言葉に全く反応してくれない先輩が少し気になって、一度呼んでみる。
向こうがキスしていいか聞いてきて、それに答えたのに。
なんで返事が返ってこないんだろう。
「九条先輩?」
「……え、は、はい」
視界を覆われているから顔は見えないけれど、やっと返ってきた返事のときに、先輩の手がぴくっと反応した。
「だから、手、どけてくれませんか?」
「……あー、どける。うん、どけるけどさ」
「…けど?」
「………んー、だからその。あんまり見ないでね」
ものすごく歯切れの悪い言い方だったけれど、いわれてることはわかる。
どっちかっていうと顔が見たい気持ちが大きいのに、ちょっと納得できなかったけれど。
渋々頷いた。