青い桜が咲く頃に

怯えるアタシを見た彼は
オロオロとし始めた。


「驚かせて
 悪かった。
 何もしないから
 怖がらないで。

 それ貸してあげるから。
 今夜は冷えるから。」



そう言われて
初めて気がついた。


アタシの背中には
汚いけど
温かい毛布が
かけられていた。

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